ロックバンド -FTISLAND-

FTISLANDをバンドとして応援している男です。 特に大きな目的はなく、僕が音楽を聴き、思ったことを書いていくブログです。

アーティストの音楽スタイル変更について

 

 

 

 

 

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お久しぶりです。約1年半前にブログを休止しましたが、今回、音楽への考え方が変わってきたのもあってなんか書きたいなーと思ったので記事を書きました。

完全に僕個人の話になるし、僕の頭の中での思考なので分からない方の方が多いかもしれませんし、ほとんどの人は読んでも得られるものは特にないと思いますが、暇な方は是非読んでください。自己満記事です。

 


えっとまず、ブログやめてからftislandはあんまり聴いてないです。新しいアルバムのダイジェストをちょっと見たぐらいかな。

それからじわじわと聴くジャンルも変わってきた気がします。あのあとlinkin parkのmike shinodaが"Post Traumatic"というアルバムを出して、どハマりし、

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昔彼がやっていたFort Minorの曲も聴いてみて"Kenji"という日系移民について書かれた曲を聴いて心を打たれたり、

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その後はKendrick LamarやLil Uzi Vertなんかを聴いてみたり(ジャンルで言えばラップかな?よく分からんですが。)、最近はBTSの曲を聴いたりしてますね(BTSはダンスがかっこよすぎてそこから好きになった。Mic Dropなんか最高ですね)、、、、

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などなど、知らない間にまぁ以前には想像できないくらい聴くジャンルの幅を広げていましたね。

 


このブログをやっていた頃は、いわゆるメタルコア、パンク、ロックを聴いていて、とにかく「重さ」を気にしていた気がします。ギターのリフがカッコよくてベースの低い音が響いて、ドラムが派手なドラミング、ボーカルはシャウトやスクリーム、デスボイスをぶちかます。。。そんな曲が大好きでしたし、同時に今の世界の音楽界のメインストリームになっているダンスミュージック、EDM等のジャンルをある意味見下してました。「機械音なんてクソだ」「ベースの音が足りなさすぎる」「ドラムの代わりに打ち込みの音を入れるな」とか思ってたし、好きなアーティストがそういう音楽をやろうとする事に反対してたりしました。

それも今では変わってきた気がします。

 

 

 

さて、前置きはこのぐらいにして(なげぇよ。)、本題です。

アーティストの音楽スタイル変更について。

この問題(?)というかネタはだいたいどのアーティストでもあるんじゃないでしょうか。「昔のスタイルの方が良かった」「これは売れるための曲だ。妥協だ。」「変わってしまった…」といった評価をする所謂"懐古厨"と「曲のスタイルがかわっても私は好き!」「負けないで頑張って!!」「進化してる!!」と擁護するファン。そして、「音楽は常に新しいチャレンジなんだ」「新鮮さをなくしたくなかった」「受け入れてもらえると思う」と自信なさげにインタビューに答えるアーティスト。だいたいこんな構図ですね。

 


僕の大好きなアーティストでもかなりのアーティストがこんなことを経験しましたね。というか今もしていますね。

ftislandもI will とWhere's the truthでスタイルをよりハードに変えた(僕的にはその頃が一番好みだった)と思ったらそれ以降は積極的に電子音やシンセサイザーを使ったスタイルに変えてきましたね。最近の曲はまだ聴いてないので分からないのですが、おそらくこの傾向はまだ続いているんでしょう。

one ok rockはアルバム"ambitions"でこれまた電子音を入れたり、メインストリームを意識した曲調へとスタイルを変え、"Nicheシンドローム"や"残響リファレンス"時代からのファンの中の一部からは「洋楽のマネみたいになっちゃったね」だとか「アメリカで成功するのには仕方ないのかな、、」など戸惑いの声や「One Ok Popだろこれ」といった批判も聞こえました。先日公開された「Stand out fit in」は今までのハードでヘヴィな部分はほぼなくなり、「はみ出して馴染め」というこの曲のメッセージを前面に出して、曲のスタイルとしては、これまたメインストリームを意識したスタイルとなりました。これからもワンオクのスタイル変更はより顕著になっていくでしょう。

30 seconds to marsもオルタナティブロックのど真ん中を攻めてきましたが、最新のアルバム"America"ではEDMにかなり寄せてきましたね(これまたかっこよすぎる)。

スタイル変更といって忘れてはいけないのがlinkin park。第1作"Hybrid Theory"と第2作"Meteora"ではラップとロックを独特のリズムで上手く融合させたミクスチャーロックで大ヒット(両方2000万枚超)し、グラミー賞も受賞。その後の第3作からは大幅なスタイル変更をし、チェスターのシャウトは影を潜めました。そしてファンからの大バッシングを受けた。

 


と、上げ出せばキリがありません。

 


そんな中で今回特に注目したいのが、Bring Me The Horizon。このバンドは以前ブログで紹介していました。

 

rockband-ftisland.hatenablog.com

 

もともとはデスメタル メタルコア出身の彼らですが、3作目で大きく舵を切り、4作目では電子音を入れ込んだ画期的な音を作り出し、5作目ではそこからさらによりメインストリームを意識した"シングルとして売れる"レベルの曲を詰め込んだアルバムを出して全英1位全米1位、その他各国のチャートで1位に輝き、今まで小さなライブハウスでデスボイスを炸裂させてきたバンドが今ではイギリス内ではMuseの次に挙げられる程の大衆的な認知度のある有名なビックバンドとなり、スタジアムレベルの場所でコンサートをし、ラジオでかかるようになった。ここまで大きくスタイルを変え、ここまで大きな成功を収めたバンドを僕は知りません。

そして今回、そんなbmthが新しいアルバム"amo"を世に出しました。5作目が比較にならないレベルでスタイルが更に変わり、よりポップに、そして曲によってはLil Uzi Vertのラップのような曲調や、ダンスミュージックのような曲も登場。はっきり言ってここまで変えるのかと心配するレベル。しかし聴く人を唸らせるような完成度と説得力がある。おそらくメインストリームの曲を普段から聴く人の耳にもとまるでしょう。リードトラックの"Mantra"はグラミー賞のベストロック曲賞にノミネートしていますね。楽しみです。

 


もちろん、これもまた"懐古厨"から批判は例外なく行われており、YouTubeのコメントを見る限り、昔からのファンからバッシングはとてつもないものです。「Justin the horizon」「bring me the OLD horizon」「Coldplay the horizon」等、凄まじいものがあります。

 


ただ、nme.com でのロングインタビューでフロントマンのOliver Sykesが今回のスタイル変化について語っているのを読んだ時、かなり納得してしまいました。そして最近僕がさまざまなジャンルを受け入れるようになり、このbmthのスタイル変化に対しても何も思わなくなった理由がわかった気がしたんです。

つまりは、このインタビューをこのブログに記事としてシェアしたかったというのがこの記事を書いた目的です。

英語の記事なので僕の日本語訳と英語を並べて書きますね。所々抜粋して紹介します。(多少間違っていてもどうか気にしないでください)(僕の英語が納得いかない人は自分で訳して読んでください)

 

 

www.nme.co


They may have had many battles behind them, but that’s not to say that making ‘Amo’ was an easy ride. After the gruelling campaign for ‘That’s The Spirit’, Jordan Fish’s newborn son Eliot fell ill after suffering a brain haemorrhage (he survived, thankfully), and Sykes had a divorce to contend with, having discovered his now-ex wife had been having an affair. He’s now happily re-married to Brazilian model Alissa Salls and – feeling content with his current lot – the frontman felt an initial reluctance to draw upon his recent trauma as a muse.

多くのの修羅場を経験してきたであろう彼らだったが、今回の"Amo"の制作は決して簡単なものではなかったという。"That's The Spirit(前作)"のライブの後、生まれたばかりだったJordan Fish(Ky.)の息子 Eliotが脳出血を発症(幸い今では健康だ)。Oliver Sykes(Vo.)は前の妻との離婚という問題に直面していた。彼は今では、ブラジル人モデル Alissa Sallsと再婚し、幸せを感じている。だが、彼は当初、この一連のトラウマを曲として描く気にはなれなかったようだ。

 


“On this album I really didn’t want to write about my divorce or talk about my ex,” he says. “I didn’t want to make that person feel any smaller or give them any spotlight. I also didn’t want anyone to think that I’m unhappy in the situation that I’m in now because I’m really glad that what happened, happened. After a while I realised I have nothing else to talk about except my own experiences. I can’t make up stories. I can’t make up emotions that I haven’t been through.”

「このアルバムで、自分の離婚や前の妻について描きたいとは思わなかった」と彼は言う。「聴いた人にこの事を自分が思うより小さい事のように思って欲しくなかったし、スポットライトに当てるような事にはしたくなかった。後、この状況でアンハッピーだと思っていると思われたくなかったからね。というのも僕は起きた事に対して満足してるんだ。ただ、しばらくして、自分自身の経験以外に僕が話せることなんてないって事が分かった。作り話をすることなんて出来ない。実際に経験してない感情をでっち上げるなんて出来ないよ。」

 

“There are people who listen to music who cut themselves or they’re depressed, so some artists really play up to that,” Sykes tells me, carefully mentioning no names. “It really doesn’t feel genuine. Emotion is a full range of a spectrum, like colours. It’s not just anger. How are you going to get that out with just a guitar and screaming? You need to explore everything else.

「音楽を聴く人の中には、自傷行為をしたり、気が滅入っている人がいる。だから、そういう人たちをターゲットにして曲を書き続けるようなアーティストもいる。」Sykesは具体的な名前に言及しないよう慎重に話した。「それは良いことじゃないと思う。感情は広い範囲を持っている。色の様にね。怒りだけが感情じゃないんだ。ギターとスクリームだけでそれらをどうやって表現できる(できっこないだろう)?他のことを探る必要があるんだ。」

 

“The guitar shouldn’t be a main instrument, it should be a texture. It shouldn’t be important whether it’s there or not. If it’s important to you whether a guitar is there or not, you’re weird. Like ‘why’?”

「ギターはメインの楽器であるべきじゃない。1つのテクスチャーであるべきだ。ギターが入っているかどうかが大切であるべきじゃない。もしギターがあるかどうかが貴方にとって大切なんだったら、奇妙だなと思う。「何で?」と思う。」

 

“It doesn’t matter if these new songs are commercial or marketable, we just want to do what buzz off’,” Sykes says of his ambition for ‘Amo’. “We’ve realised that you can’t have it both ways. If we want to be up there with Twenty One Pilots or Panic! At The Disco and make that surefire thing, then you’ve got to play that game. For us, it would have been a compromise.

「これらの新曲が商業的に売れるかどうかなんてどうでもいい。僕らはただ自分たちのやりたい事(言いたい事)を表現しているだけだから。」Sykesはこの"Amo"での野望について語った。「その2つの事を両立できないのは分かってた。もし僕らがTwenty One PilotsとかPanic! At The Discoみたいなレベルになりたいのなら、その競争に参加しないといけないわけだからね。僕らにとったら、そういうのは妥協なんだ。」

 

 

まとめると、彼らはアルバムを作る段階で、自分達が実際に経験した事以外の事を曲にするなんて出来ないんだと感じた。その表現したい感情は、もはや怒り(メタルコアなんかのジャンルになるとやはり怒りや反骨心といった感情が中心になりますよね)みたいなものだけではない。

それらを表現するんだったらメタルコアやロックのようなジャンルに固執していたらダメなんだと。

また、商業的に成功したいのならそれに適したスタイルで曲を作る事だってできる。ただ、それは自分達の表現したい事を表現するのには最適とは言えない、つまりそれは妥協でしかない。だからしなかったんだと。

 

このOliverの発言を読んだ時、本当に納得できたんです。

確かに彼らはかつて、社会への反骨心や怒りの気持ちをぶつけるような、デスボイスやシャウトを炸裂させる曲で人気を博した。でも、人間なんだからいつまでも怒りだけ持っているわけじゃない。恋愛だってするしそれに伴う悲しみも幸せも味わう。それをそのまま等身大に表現したい。

そんな中で以前の曲を気に入っている一部のファンが「そんなことはするな、スタイルを変えるな」と言うのはどれだけ勝手なことなのか。

たしかに世の中にはずーーっと同じような曲調の曲を出し続け利益を得るようなアーティストも多い(敢えて名前は出しませんが僕には日本の歌手はそんなアーティストが多い気がします)。でもbmthにはそうするという選択肢はなかった。

 

 

今回のアルバムの12曲目に、"Heavy Metal"という曲があるんです。ヘヴィメタルといいながら曲調はあまりヘヴィではありません。この曲は昔のスタイルに固執する懐古厨たちへの皮肉を込めた曲なんです。

この曲の歌詞が本当に、彼らがそういう懐古厨に言いたいことをそのまま言っているような歌詞。

ここまではっきり曲にして出すのかと驚きました。

 

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少し紹介しますね。

 

They said, hey kid
You got that something special
(It's now or never)
You wanna live forever
(It's now or never)
You know what we want, you should give it to us
(It's now or never)
(But there's no pressure)

キッズ達は言った

あなたは特別なものを手に入れた

永遠に生きたいと思ってるよな

俺らが求めるものを分かってるはずだ

それを俺らに与え続けてたらいいんだ

(そんなことばっかり言うけど)

(なんの圧力にもなってないよ)

 

ここで言う「キッズ」は昔のスタイルに固執する懐古厨のことでしょう。「素晴らしい才能を持っているんだから、永遠に音楽で食っていきたいんだったら俺らが気に入った事だけやり続けろよ」と言ってくるファンを本当にそのまま描いています。

 

And I keep picking petals
I'm afraid you don't love me anymore
'Cause a kid on the 'gram in a Black Dahlia tank
Says it ain't heavy metal
(And that's alright)
(That's alright)

僕は花びらを摘み続ける

まったく気に入ってもらえなくなるかもと恐ている

なぜならキッズは言うんだ「こんなのヘヴィメタルじゃないだろ」って

(たしかにそうだ)

(それはたしかに正しい)

 

花びらを摘み続けると言うところの解釈は分かりませんでしたが、その次からは分かりやすいですね。前の所で「なんの圧力にもなってないぜ」と強がってみたけど、やっぱり嫌われるんじゃないかといつも恐れている。そんな素直な感情を吐露している。

 

これが後半になると変わってきます

 

So I keep picking petals
All I wanna know do you love me anymore
'Cause some kid on the 'gram said he used to be a fan
But this shit ain't heavy metal

だから僕は花びらを摘み続ける

知りたいのは君が気に入ってくれるのかどうかだけ

だって何人かは「以前はファンだった」なんか言うから

でも、そうやって言うのってヘヴィメタルじゃねぇよな?

 

もうファンじゃないって言ってる奴いるけど、そういうお前らこそヘヴィじゃねぇぜ?と言っているような感じです。

 

最後は

No, it ain't heavy metal
No, it ain't heavy metal

それがヘヴィメタルじゃねぇんだ

ヘヴィメタルじゃねぇんだよ

 

 

デスボイス気味に叫んで終わります。

いやもうこの曲を初めて聴いた時、はっきり言って鳥肌がたったし涙が出てきて同時に聴き終わった時には笑いが込み上げてきました。

どれだけ正直なんだよと。そして最後の2文で最近は使ってこなかったデスボイスを使うという、最高に皮肉を効かせた曲になっています。

 

こういう曲を作れるんですよ彼らは。

それはやっぱり彼らの「本当の感情を表現したい」という気持ちからくるものだと思うし、これが音楽だと思うんです。

たしかに曲調はヘヴィではないけど、伝えたい内容や感情は最高にヘヴィです。

 

音楽は曲調が全てではなくて、メッセージ、歌詞も重要だということです。

僕たち日本人が洋楽やKPOPを聴くとき、歌詞はあまり重視せず(あまり分からないから)、曲調やトーンに集中しがちです。でもそれでその曲の本質がわかるんでしょうか。彼らが曲に込めたメッセージは理解できているんでしょうか。

アーティストは伝えたいメッセージがあるから曲をかくし、試行錯誤してスタイルを変えていく。

そのメッセージを、理解せずに曲調だけで判断して批評するのは、違うな、と思いました。

 

もちろんだからといって、自分の好みでない曲調の曲を無理に気にいる必要は全く無いと思います。そこは僕も譲りたくない所があります。

ただ、アーティストが曲に込めたメッセージに注目して曲を聴くようになってから、僕の曲のスタイルに対する考え方は変わったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

以上、いままで偏った見方で音楽を批評してきた僕が、少しは成長しましたよ、という内容の日記みたいな記事でした。

 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

Bring  Me The HorizonのAmoについては、また機会があれば全曲の解釈にも言及して記事にできたらなと思っています。ほかにも母語に関する内容など、深い歌詞の曲が多いです。

韓国語も勉強して訳せるようになりたいな……